子どもが思わぬ進路を選択したとき、親はその教育費に備えることができるのか?
私のところへ寄せられた体験談になります。(こちらのご家庭は私の友人ご夫婦Hさんの話です。)
薬学部へ進学したい!と告げられ、かかる学費を調べてビックリ。国公立で100〜180万円、私立で220万円という高額な学費を払うことができるのか?
夫婦で乗り越えた教育費貧乏の体験談をお伝えします。
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薬剤師になりたい!子どもの進路選択
先に、友人Hさんのご家庭の経済状況です。
Hさんご家族の世帯収入780万円
持ち家住宅 ローンあり(月8万円の返済)
車2台所有 ローンなし
お子さん2人(2歳年の差のお子さん)
お子さん2人には学資保険として100万円満期のものが4口かけてあり、高校2年10月満期1口、高校3年の2月に1口満期のものです。
上のお子さんが薬学部に行きたいということを伝えてきたのは高校3年の春のこと。専門学校に進学するとばかり思っていた親としては予想外だったそうです。
高校3年の春の模擬試験で国公立の進学は厳しいと伝えられ、私立大学の薬学部を第一志望にして、もし第一希望が通らなかった場合、私立の工学部に進学する予定とのこと。
どちらにしても理系学部へ進学するということは、年間180万〜220万円の学費が必要になるということで、夫婦で預貯金をチェックし、薬学部に進学するということは6年間の学費を払うことになることでシュミレーションしました。
6年間に支払う予定の学費と生活費
あくまでも第一志望に合格し、自宅通学できるという前提でシュミレーションしました。
- 入学金 300,000円
- 授業料 7,200,000円
- 設備費 5,400,000円
- 定期代 800,000円
- テキスト代 600,000円
- お小遣い バイトで賄う
- 合計 1,430,000円
手持ちの預貯金は、万が一のことがあるといけないので、できるだけ多く残すことにして、教育ローンを一切借りない、奨学金を利用しないことにしてなんとかやりくりをしようということで夫婦で話しをしました。
一応、手持ちの預貯金が2,000万円あり、なんとか足りる…と思ってシュミレーションは終了しました。
高校3年間の塾&予備校費用
元々、進学を視野に入れていたので、塾には通っていましたが、進学先がはっきりしてからは、今通っている塾だけでは、受験対策としては全く足りないということがわかりました。
そこで、本人の意向で、予備校に通わせて欲しいと言われ、月50,000円の出費が6月から1月まで続きました。
この40万円の出費がとても痛かったと母親は言っておりました。
薬学部合格で入学金と授業料支払い
2月になり、受験が終わると、ギリギリだったけれど、合格することができました。
ここからは6年間に大学に払ったものをすべて書いておきます。
- 入学金 300,000円
- 授業料6年分 7,200,000円
- 施設費6年分 5,400,000円
- テキスト代 600,000円
- 通学費 750,000円
- 住居費 1,200,000円
- 生活費 1,800,000円
- 合計 17,250,000円
医学系ということで、学資保険で200万円は1年目に消え、3年までは自宅通学していましたが、実習やレポート作成があると家に戻るのが23時ということが多くなり、残りの3年間は学校近くでシェアハウスで生活することになり、住居費と生活費がかかりました。
その結果、6年間で1,700万円が出ていき、家に貯めてあった預貯金のほとんどが消えていきました。
奨学金も視野にいれるべきだった
今更、反省している点は、奨学金を借りておくべきだったということ。
進路を決めた時、高校の成績が3.4だったことで第一奨学金は通らなかったとは思うのですが、第二奨学金だけでも申請をして借りておくべきだったと反省しました。
教育ローンを借りてという選択肢もありましたが、住宅ローンの返済をしていたこともあり、どうしてもお金を借りることができませんでした。
そのため、上の子が薬学部に入学し、2年後に2人目の子どもが専門学校に行きたいと言っても、先の学費を捻出できるシュミレーションが一切つかず、就職してほしいと伝えました。
本人も、なんとか就職することに同意してくれ、2人目の子どもには学費がかかりませんでしたが、6年間、ギリギリで生活してきたことでとても貧乏な思いを何度もしています。
教育費貧乏になって思うこと
無事に薬学部を卒業し、一緒には住んでいませんが、薬剤師として働いています。
世帯年収780万円って決して高くないけど低くない、何も問題のない家庭と思われがちですが、国公立2人分の学費を払ったのと変わりませんでした。
できるだけ子どもには学費を払わせたくないと思い込んでいた部分が裏目に出た結果だと思っています。
仮に、奨学金を借りたとしても足りなかったというのが本音で、自宅通学ができない大学であれば住居費がかさみます。
教育費貧乏…この言葉って我が家に当てはまる言葉なんじゃないかと思っています。
今、当初の目標だった住宅ローンを繰り上げ返済することで頭がいっぱいで、老後費用が一切貯められていません。
もうすぐ主人も私も50代になりますが、あと15年働けるとして、預貯金を増やすことができればきっと老後はなんとかなりそうです。
ここで紹介したものが参考になるかはわかりませんが、奨学金を借りて進学させることも視野にしれておくことも大切だと思います。